MATCH Leather Works の All That's BANZAI !

長濱レザーのMATCH Leather Works

久々にべんがら塗りについて少し

 MATCH Leatehr Worksでございます。

 いつの間にか1月も下旬になってます。時間が経つのってこんなに早かったでしたっけ?正味だいぶビックリしています。まぁ正月らしい事をほとんどしていないので、実感がありませんが…
 色々と動き出していますが、とりあえず週末の対面販売をまずは頑張ります。

 明日1/20(土)はビバシティハンドメイドマーケット。こちらは地元である長浜からすぐ近く。ひこにゃんでお馴染みの彦根市にて開催です。長濱レザー少なめ、アウトレット多めの展示をさせていただきますので、表に出ていない作品をチェックしたい方は遠慮なくお声掛けください。
 続いて1/21(日)はちょっと遠征。岐阜県柳ケ瀬商店街にて開催のサンデービルヂングマーケットです。こちらには初参戦ですが、とっても楽しく賑わっていそうな雰囲気。岐阜県初上陸という事で、この日は長濱レザーをガッツリ展示させていただきます。こっそりアウトレットも持っていきますので、ゆっくりお楽しみください。

べんがら塗りについて少し

 さて、久しぶりにべんがらの塗りについて少し。というかべんがら塗りの風習についてとした方がいいのでしょうか。

 そもそも、べんがら塗りの家屋を見た事はあるでしょうか。地元の方ならいざ知らず、遠征すると間違いなく「何ソレ?」と言われます。寺社仏閣に使われていたりべんがらの量産に成功した広島の吹屋地区の街並みが有名だったりしますが、ピンと来る方はあまりおられません。
 そしてべんがらを生産していた訳でもないのに、何故か滋賀県湖北・湖東地域には民家にべんがらを塗る風習があるのです。どうしてべんがらに縁のない地域なのに昔の民家はこぞって赤色だったのか。謎です。かなり調べたのですが、べんがら塗りが定着した明確な理由はわかりませんでした。正直「教えてエラい人!」という気分です。天候の厳しさや寒暖差の激しい地域なので、べんがらの耐候性は建物を守るのに最適な保護剤であった事は間違いありませんが。
 洋風建築の増加や作業の効率化が進み、手間のかかるべんがら塗りは減少しています。実際、長浜でも中心地ではあまり見かけなくなりました。ちなみに自分が住む地域では隣近所ほとんどがべんがら塗りの家屋です。

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 写真は自宅ですが、木材部分にはべんがらがしっかり塗られ、漆喰と組み合わせた赤と白のおめでたい雰囲気になっています。正直自分はこの姿が当たり前だと思っていました。実は完全に少数派だったんですね。

 べんがら塗りの家は本当に減っていて、このままではほぼ確実になくなってしまうのではないかと感じています。その為、なんとかしてべんがら塗りの風習を残そうという取り組みが、当方MATCH Leather Worksの長濱レザーです。

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 木材と同様、べんがらを定着材として使う柿渋と混ぜ生成の牛ヌメ革に塗って仕立てていきます。粉末顔料であるべんがらを動きがある革に塗る為、塗材の剥離に気を付けなければいけません。どうするか。少ない粉末量で薄塗り、乾燥、磨きを繰り返すという手間をかけます。正直大量生産には向きません。ケミカル材料を使えばもっと簡単に塗る事は出来るでしょう。しかしそれでは意味がないのです。地元の風習を残す為の長濱レザーですので。

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 塗り終わりがコチラ。パッと見た感じは「茶色い革」です。ですが、刷毛模様が木目のような存在感を出し、独特の雰囲気を醸し出します。柿渋とべんがらの特長である防水・防汚により汚れにくく防カビ効果も期待出来るという、ヌメ革製品の弱点を補う面白さもあるのです。
 各地で対面販売も行っていますので、直接お話しさせていただける機会があるかもしれません。是非お気軽に話しかけてください。出来る限りのお話しをさせていただきます。

 長浜はいい所です。若い人達が都会に出て行ってしまう町ではなく、ここでならなんでも出来ると思える街にしたい。その一端を少しでも担えれば嬉しく思います。

 そんな地域への思いがたくさん詰まった長濱レザー。機会があれば是非ご覧ください。

 明日は滋賀彦根
 明後日は岐阜柳ケ瀬

 一人でも多くの方とお会い出来ますように。

 

 お付き合い、ありがとうございました。