ブログ、再開しますので改めて
MATCH Leather Worksでございます。
超絶お久しぶりでございます。
全くもってブログを書く気にならず「これはいかん」とサイトからもリンクを外していたのですが、よく考えたら「自分が好きに文章書ける場所ってここしかなくね?」と思い直したので復帰いたします。
今まで完全放置していて申し訳ありません(土下座)
初めましての方もお久しぶりの方もおられると思うので、改めて簡単にMATCH Leather Worksのウリを書いておこうかと思います。
・世界最古の赤色顔料といわれるべんがらを刷毛で何度も重ね塗りした「長濱レザー」を使って革小物を製作
長いけどウリと言えば完全にコレです。
細かい説明をすると物凄く長くなるので「長浜の昔の家で使ってた塗料を革に塗ってるぜ!」と簡単に覚えてもらえればOKです。御興味お持ちの方は当サイトをご覧ください。一応ちゃんと書いております。
実はかなり手間のかかる工程を施しております。
これが漆なら黒桟革という超高級レザーとかなり似た技法になるのでしょうが、ウチの塗材ベースは柿渋です。漆でやってみようかとも思ったのですが、湿度管理が相当大変だし工程の増加で価格もエラい事になるだろうからやめました。
どちらにしてもこの方法での塗装を行っている革は、自分が確認した限りでは他にありませんでした。頑張ってます。
自サイトでの通販以外にも、長浜市のふるさと納税返礼品としても取り扱われております。是非ご指名いただければと思います。
例えば下リンクはCMでよく見る「さとふる」さん。
そして、それ以外の顔も持っています。サイトには書いてない裏の顔。
それは…
レ ザ ー マ ス ク の 製 作 !
もう完全に真逆の趣味の世界です。所謂ペストマスクをメインに製作をしております。「何やってんだコイツ」と思われるかもしれませんが、カッコいいんだから仕方ありません。
「マスク類をアクセサリの一つとして市民権を持たせる」という壮大な野望を持っているバカタレです。風邪や花粉症のマスクも色や生地などで差別化が図られる昨今、ハーフマスクからなら徐々に浸透出来るんじゃないですかね?「あら、あのマスクは〇〇さんトコの次男坊ね」といった感じの個人のアイコンになるかもしれません。
ちなみにマスクに関しては、長濱レザー以外にも様々なカラーや型押しのものを使います。合皮だって使います。カッコ良かったらオールオッケーであります。アイホールカバーは塩ビプラ以外にもポリカーボネイト2mm板も選べますので、安全面に考慮が必要なサバゲーやLARPにも採用いただけるシーンがあるのではないでしょうか。
一応専用通販サイトのリンク置いときますね。
サバゲーの話題ついでにエアソフトガンのグリップ革巻きも行っております。
品性など彼方に置いてきた、と言わんばかりの下品さがサイコーです。とくに真ん中のヤツ。銃の種類や形状、巻く素材によって条件は色々変わりますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせを。
要は…
・滋賀県長浜市から失われそうな風習を残す為に独自技術でそれを伝えたい革屋
・ペストマスクをメインにマスクを作ってる革屋
・エアソフトガンのグリップに革巻いたりする革屋
そんな感じの認識をしていただければ大丈夫。それがMATCH Leather Worksです。長浜市にある工房(私はアジトと呼んでいます)に遊びに来ていただければ全てに触れる事が出来ますので、滋賀においでの際はお気軽にお立ち寄りくださいませ。
独自技術の長濱レザー、イカついぜペストマスク、オレのエアガンに革を巻いてくれ!
すべての皆様、お待ちしております。
写真じゃ伝わらない
MATCH Leather Worksでございます。
なんか猛烈に寒くなっております。もう4月も中旬なんですけどねぇ…どうしてストーブを使うなんて事になってしまうのか。地球、大丈夫?
そんな訳で今日も製作に集中出来るアジトでした。要はお客様が来ないって話なんですけどね。
革製品って確かにいいお値段します。しかもウチの場合完全ハンドクラフトなので量産品のようにはいきません。少し手のかかるものは一日一個出来ればいい、という場合もあります。そう思うと敷居高いですよね。
今のご時世ネットでいろんな製品を調べる事が出来ます。日本だけじゃなくて世界中のいろんなモノがモニタ越しでチェック可能。
その情報のほとんどが写真です。
ネットでの購入は写真の印象がほぼ全て、と言っても過言ではないだろうと個人的には思っています。カッコいい写真で心をくすぐるのは当然だし、モノの魅力を引き出すにはビジュアルイメージはとても大切です。
なのでウチも「カッコいい写真撮りたいなぁ」と思う訳です。頑張って写真撮るんですけど、なんだか上手く伝わる写真が撮れないんですよね…
で、気付いたんです。塗装のヌメり感というか、ほんの少し立体感のある雰囲気とかが伝わらない、と。自分の写真の腕が悪いと言ってしまえばそれまでなんだけど、やはり何か違う。ちゃんと実物を見て欲しい。
美しさを正確に伝えたい、そして「イメージしてたのとなんか違う」という悲しい失敗も防げる。何より長濱レザー製作の背景にある地域の事やその現状も直接お話出来る。
長濱レザーは美しいと思う。が、使われている塗装剤やその背景はおそらく全国的に馴染みが薄く、たくさんの説明を要してしまう。だから、実際に目で見て、手に取って、背景を感じて欲しい。写真だけでは伝えきれないのだ。
御興味をお持ちの皆様。サイトや通販ページを見ていただけるのは土下座をしたくなるくらい猛烈にありがたい事です。もしお時間と距離が許されるなら、実際に実物を見ていただきたい。土下座もスライディング土下座にランクアップする事間違いなしです。
ファミコンをしながら、おしゃべりをしながら、地域の事を話しながら、長濱レザーをもっと身近に感じてもらえれば幸いです。
アジトで会える事を心待ちにしております。
お付き合い、ありがとうございました。
文章だけでも書こうと決めた
MATCH Leather Worksでございます。
さて、まったくと言っていいほどブログを更新出来ていません。写真がイイ感じに撮れないとか面白ネタがないとか言い訳ばかりが先行してますね、確実に。
最近のブログの傾向として「映え」る写真がないとイマイチ書く気にならないし読んでもらえないような気がします。そもそも全然更新してねぇクセに偉そうな事気にしてんじゃねぇよ、って話ですが。
元々文章を書く事が多かったので、長文を書く事自体は苦ではありません。ある意味いくらでも書けます。でも革細工の事だけを書き続けるのはちょっと大変…
そんな訳で、写真がなかろうが革細工の事でなかろうが色々書いていきます。店主の趣味やらボヤきやらのしょーもない事もガシガシ混ざっていきますので、どうぞよろしくお願いします。
自分にとって長濱レザーの製作およびそれを用いた作品づくりはとても重要なものです。ですが、それだけを続ける必要はないんじゃないか、と最近思うのです。いろんなジャンルに踏み込んで知識や経験を吸収して、また作品づくりに転化させていくべきではないか、と。なんでもやる変な革細工の職人がいる、という方が面白いですしね。
そんな訳で、今後はガシガシ興味のある事を前に押し出して活動します。革屋というより「なんでもモノづくり屋」といった所でしょうか。手工芸だけではなく、今まで押し込めていた芸事方面にも頑張っていきたい所です。
で、今興味があるのはLARPというジャンルのものです。凄く乱暴な説明をすると、体験型ロールプレイングゲームとでも言えばいいのでしょうか。自分がキャラクターとなり装備品を身に着けてNPC達と会話しながら目的を達成していくゲームです。これって自分の趣味と実益を兼ねているように思うのです。
・シナリオを考える事が出来る←元台本書き
・プレイヤーとして演技をしていく←元役者
・装備品を用意する必要がある←革屋の仕事および造形(こっちは素人)
という訳です。いい革製装備が作れれば販売に繋げる事が出来るし、そこから自分の本来の取り組みも見てもらえる。プレイヤー・シナリオライターとして芸事の欲求も解消する事が出来る。一石二鳥じゃないですか!
個人的に注目しているLARP、ボチボチ進めていこうと思います。ちなみにアジト2Fを開放してLARP装備開発研究部を進めていく予定。これに関しては「素人が頭寄せ合ってナイスでステキな面白装備を作ろう!」がコンセプトなので、当方素人です。仲間募集中!
なにはともあれ、今後はいろんな活動を堂々とやっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。
お付き合い、ありがとうございました。
御依頼品、やってます
MATCH Leather Worksでございます。
結局全然ブログを更新出来ていないダメ人間でございます。Twitterはかなりの頻度で更新してるんですけどねぇ…
作業の事をしっかり更新すればいいのかもしれませんが、なかなかどうして…遊んでる訳じゃないんですよ!しっかり仕事してるんですよ!でも写真とか上手に撮れないからあんまりブログ映えしないかな、とか考えちゃうとどうにも…
まぁ言い訳ばかりしてもしょうがないので、ちゃんと文章書きます。
最近は御依頼品の製作仕事をモリモリ頑張っております。具体的に「コレ入れるからこういうサイズで!」というものから「なんかこんな感じでね、そんでこんな雰囲気で…あ、デザインはお任せします」というものまで。
前者はとっても助かります。商品のスペック表いただけたり現物持ってきていただいて実測出来たりすると、店主はとっても安心です。後者の場合は結構な勢いで店主の頭から黒煙が吹きます。半泣きです。
まぁ泣いててもしょうがないので、いろいろデザイン考えたりしながらお仕事をする訳です。当然ながら具体的な数値が見えているモノの方が早く仕上がります。
例えばガラホケース。具体的に使用されている機種やスペック、細かいご要望までいただけたので製作自体はとてもスムーズに進みました。革自体がストック切れで塗り作業を終えてからの製作になってしまい、お時間をかなりいただいてしまいましたが…
他にはタロットカードケース。ハンドバッグみたいに可愛いヤツ、という御依頼。完全にミニハンドバッグにしました。当方のレギュラー商品「MEISHI BOX」からの派生品ですね。こちらも現物を実測させていただけたのでかなりのスピードで製作が出来ました。
で、問題はお任せパターンです。どれだけ図面作っても「え?これでいいの?ホントに?」と頭がグルグルする訳です。しかも構造が特殊だったりすると尚更。もちろんガッツリ頑張りますけども。
ですので、出来れば御依頼の際はしっかりコンセプトや収納するモノのスペックをいただけるととっても助かります。
ちなみに御依頼品製作の流れとして…
①いただいたスペックなどから紙で試作、ご確認
②床革などで問題がないか試作、ご確認
③本製作
という流れになっております。ですので、メールで画像をチェックしていただいてというやりとりをチョコチョコさせていただきますので、どうぞ御協力お願いいたします。
スペックしっかりいただいている御依頼があとひとつ。お任せパターンの御依頼がひとつ。構造的に正解が見えず迷路に入ってる御依頼品がひとつ…
…頑張ります!
お付き合い、ありがとうございました。
アジト2階がおおよそ完成
MATCH Leather Worksでございます。
PC手に入れたしガシガシとブログを更新するぞ!とは口ばかり。さっぱり更新してませんね。ダメ人間ですわ、こりゃ。
そんな自分にめげずに今日も頑張っております。
さて、前回更新時にいじっていたアジトの2階。かなり進行しております。
照明を古い蛍光灯から電球色LEDに変更。ちょっと棚をつけたりしました。なんだか謎の雰囲気を醸し出しております。このなんとも言えない妙な雰囲気、大好物だったりします。
棚を取り付けただけで一気に生活感が出るんだから、面白いモンです。
修繕の際に余った緩衝材がいい感じに的になるので、お座敷シューターとなって楽しめるステキな状態になりました。とりあえずこの棚にはマンガ類が並ぶ予定になっています。
奥の壁にはギターとベースを掲げる予定。あとは有孔ボードでも取り付けてフックいっぱいぶら下げようかしら。その辺はまぁボチボチ追加していきます。
入口側は厚いカーテン。ホントは窓の所もそうなる予定だったんですけどね…なんでしょう、このスカスカなカーテン。
正体はダイソーさんのカーテン(300円)なんですけどね。【遮光は完全ではありません】くらいの感じで書いてあって「完全じゃなくていいよ!ある程度でOK!」と思った訳ですよ。で、結果コレですよ。スケスケの助ですよ。
いいですけどね、別に。なんか面白いし。
ちなみに15日には畳が入れ替わる予定なので、2階の改修はほぼ終了となります。寝具を放り込めば眠る事が出来ます。
つまり呑みに行けます!
サイコー!
いや、ホントは半裁革の裁断とか深夜作業の休憩とか事務仕事スペースとかここで何かやりたいという奇特な方にお貸ししたりとかがメインなんですよ!
畳が新しくなったら、まずはミニ四駆のコース設置してセイントドラゴン走らせたいと思います。
お付き合い、ありがとうございました。
お店じゃないよ、アジトだよ
MATCH Leather Worksでございます。
持ち運べるサイズのPCを手に入れたおかげで、湯たんぽを放り込んだお布団に横になりながらブログを書けるという至福の時間を手に入れる事が出来ました。
う れ し い !
さて、MATCH Leather Worksの工房は「アジト」と呼んでいます。本来ならば「店舗」であるべきなのですがアジトです。
じゃあ、なんでアジトなの?
あくまでもそこは作業場であり製作スペース。そんな場所くらいは自分の好きなモノに囲まれたい。それは漫画だったりゲームだったりギターだったりミニ四駆だったり。アニメや映画も見れるしじっくり文章も書けるしネット環境も整えた。つまりは完全な自分専用の隠れ家、秘密基地です。くだらない事を考えていろんな人を楽しませたい。悪だくみをするならアジトって名前に惹かれます。
そんなアジトに遊びに来てくださった方とおしゃべりしたり一緒にゲームして遊んだり音楽や芝居について談義したりミニ四駆カスタマイズを考えたり。そんな中で自分の仕事を実際に見てもらって、製作物に込めた思いを伝えられたり出来れば幸せです。お買い上げいただけたなら五体投地で感謝の意を示したくなります。
革屋で購入されるモノは実用品がほとんどでしょう。例えばお財布を買って、翌月にもお財布を買って…なんて事はあり得ません。お値段もある程度は高額になってしまうので、敷居が高くなってしまいがち。
なので【湖北の地域風習を転用した皮革、長濱レザーの製造・販売】というオフィシャルな紹介とは別のコンセプトが自分の中にあります。
【遊びに行ける革屋】
何か買う時だけ行く場所でありたくないのです。人が集まって面白い事を考える隠れ家になって欲しい。ついでに珍しい革も作ってるから見ていって、くらいの感じです。ファミコンだけしに行くのはちょっと気後れする…という方は試作品に意見くださったり変なネタを提供していただければサイコーですし、そもそもおしゃべりしてくださるだけで私はとても嬉しいのです。
長浜という街は曳山を代表した祭や神事、戦国武将を絡めた歴史的な部分といったメインカルチャーの保護は実は結構進んでいるように思います。その代わりサブカルチャーは凄く弱いように感じています。
音楽や演劇や文筆や絵画など。こういった事は変わった人がやっていて、金にならない無駄な事と思われているように感じるのです。特に田舎では。
だから、そういった事をする人達の交流の場のひとつになれれば、とも思っています。そんな場所だからこそ【アジト】と名乗っていたいと思うのです。もしかしたらこれがアジトと名乗る本当の理由なのかもしれません。
さて、そんなアジトの2Fをボチボチと修繕しています。ボロボロの壁を板張りにしました。強引に自分で!塗装するかそのままにするかは未定!
写真右の押し入れ内部の壁も直さないといけませんし、建具も作り替えなければいけません。写真左の建具は建物が傾いている影響でハメ殺しになってしまい動かせません。
直さなければいけない所ばかりですが、ココも直して悪だくみスペースにしたい!
そんなMATCH Leather Worksですが、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは遊びにおいでください。おしゃべりしながらコーヒーでも飲んでファミコンして遊びましょう。
話はそれから。
お付き合い、ありがとうございました。
革こぎん、始めるかもしれません
MATCH Leather Worksでございます。
早速ブログを更新しているのは、折角手に入れたX230ちゃんで文章を打ちたくなっているから。ThinkPadのキーボードは評判がいいのは知っていたのですが、ホントに打ちやすい。FnとCtrlの位置が逆なのが個人的にはネックですが、こんなの慣れれば問題なし!そのうち戯曲的なモノも書いたりしたいので、この打鍵感は非常に素晴らしい。
と、新しく手に入れたツールのお話は置いといて、今回は少し新しく思いついた取り組みについて。
いきなりですが、【こぎん刺し】というものをご存知でしょうか。
青森県津軽地方で伝統的に伝わっている「刺し子」というもので、麻布に刺繍を入れていくってヤツです。
気になる方、一応wikiだけ貼っておくので良かったらチェックしてみてください。木綿が取れなくて麻布で野良着を作ってたんだけど、麻は目が粗いので風を通しちゃう。だから刺繍入れて布地の目を埋めて暖かくなるようにした、との事。
刺し子には件の【こぎん刺し】の他に青森南部の【菱刺し】と庄内の【庄内刺し子】の三つを合わせて日本三大刺し子というそうです。では、何故よくわからんモノを好んで作る革屋のおっさんがそんな伝統的でステキなものに着目したのか。
ある意味理由は簡単。
ウチの母親が津軽の出身だから。
長浜市合併前の伊香郡というド田舎に生まれた父と青森は北津軽群というド田舎で生まれた母。その間に生まれた自分は、現在住んでいる長浜市の風習を転用した長濱レザーを製作しています。
「長浜がもっと元気になればいいな」という思いの片隅で、母親が住んでいた土地をほとんど知らない事に気づきました。何せ大学生の頃、夏休みに一週間ほど遊びに行ったきりです。青森の祖母は方言が激烈にキツく、何を言っているかまったくわかりませんでした。宇宙人と会話をしているような不思議な一週間でしたが、母から言えば、それでも相当わかりやすくしゃべっていたそうです。
正直それくらいの思い出しかない母の生まれ故郷。なんだか寂しくなってしまいました。母も最初は長浜に対してそれくらいしか知らなかったはず。きっとこちらに嫁いできた時、とても心細かったと思うのです。まったく知らない土地、方言も違うし友達もいないし喧嘩したって逃げ帰る場所もない。それでも歯を食いしばって自分を育ててくれた訳です。
そうやって頑張ってきた母が生まれた土地の風習をもっと知らなきゃいけない。そんな気がしたのです。
そこで行き当たったのが【こぎん刺し】でした。
自分が取り組んでいる長濱レザーと、津軽に残る伝統的なこぎん刺し。この二つを組み合わせて革こぎんが出来ないか、と今考えているのです。
針と糸には慣れてるしまぁなんとかなるでしょ、とナメてかかってました。
いや、正直これはヤバい。手間がハンパない。
何がヤバいかというと、刺し子って縦糸に対して横に奇数目で幾何学的な模様を刺繍していくのですが、革には当然縦糸も横糸もありません。
自分で全部穴を開けないといけない、という事です。
もちろん菱目で開けるなんて出来ません。目打ちで一つずつ手で穴を開けます。伝統的に伝わっている「モドコ」という図案があるんですが、これが細かい!そしてこれを布にあしらっていくんですが、ワンポイントじゃないんです。全体的にバリバリ入れていくんです。
ヤバい、マジでヤバい。
◆◇何がヤバいか◇◆
①凄い数の穴を目打ちでひとつずつ開けていく
②幾何学模様だから規則正しく開けられないと全然美しくない
③大きく作ると糸がたるむから限界まで細かく作らなければならない
はい、ヤバいです。図案の転写だけで心と右手が折れそうになりました。ナメてました、すいません。
でも、やってみたいのです。
だからやってみました。
まず試作。緑ステッチは3mm間隔の図案。紫ステッチが2mm間隔。3mmでは一番長く糸が渡る部分が何かに引っかかって糸が切れてしまいそう。実際に製作していくなら2mm間隔が限界でしょう。正直これ以上は細かく出来ません。革が切れてしまう。
じゃあやってみたい図案を転写しましょう。図案は写真とか見てなんとか読み取って自分で2mm方眼書いて穴開けました。
出 来 る 気 が し ね ぇ !
猫の足という可愛らしい図案なのですが、この時点で心が折れそうです。本気でやるなら革全体にこれが並んでいる、という事になります。もちろん他の図案との組み合わせになるのですが、そういう問題じゃない。
いや、やると決めたからにはやる!
オイラはそういう男だ!
頑 張 っ た !
正直メチャクチャ大変だったけれど、完成した時の美しさに少し言葉を失いました。
滅茶苦茶カッコイイじゃないのよ、アナタ!
革を厚くしないと、糸の張力で革が歪んでしまう。なのでインテリア的なプレートものを作るか、現在作っているペンスタンドやマウスパッドにこれをあしらうか。今の所これくらいしか実用が思いつかない。
でも美しい。
父の故郷と母の故郷。掛け合わせて新しいものを生み出す。そんな取り組みが始まるかもしれない。
乞うご期待。
お付き合い、ありがとうございました。