MATCH Leather Works の All That's BANZAI !

長濱レザーのMATCH Leather Works

災害には負けない!

 MATCH Leather Worksでございます。

 台風や地震など、平成最後のこの年は自然災害に悩まされる一年です。どうか皆様、頭の片隅に防災の事を意識してお過ごしください。

 ちなみに我が家がある長浜市高月町では結構な勢いで停電があり、電気の大切さを否応なくわからされる事となりました。何が一番困るって自宅はオール電化なのです。調理も出来ないしお湯も出ません。全てがストップした中、嫁様と息子ちゃんと三人で肩を寄せ合ってしょーもない事をベラベラ喋っておりました。ある意味親子水入らずです。

 アジトに関してですが、祈る事しか出来ないので考えないようにしてました。で、暴風雨が収まってから光の速さで駆けつけた所、有り難い事に無事でした。

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 確認しに行った時はこんな状態でした。既に古くなった壁や柱は撤去され、新しい柱や筋交いが入っていました。玄関扉の一部も撤去され、新しい扉が入ります。工事が終わっても見た目のオンボロはほぼそのままです。が、変に塗り直したりはしないでおこうと思っています。綺麗なテナントで仕事がしたいのではありません。よくわからない秘密基地みたいな所でヒゲのオッサンが何か凄いモノ作ってる、という状況でありたいのです。

 スタイリッシュは自分には似合いません。時代のニーズは完全にそっちなのでしょうが、テンプレのカッコ良さではなく自分の好みを追い求めたいと思います。

 

 で、台風の最中に塗り作業をしていました。停電で中断せざるを得なかったのですが、今回は25cm幅の短冊を6枚塗りました。現在乾燥中で、これから仕上げ作業をしていきます。僅か6枚と思われるかもしれませんが、これがなかなかに大変です。手や気を抜いてしまうと塗りの表情に一発で現れてしまいますので…ちなみに何故短冊状にしてしまうかといえば、半裁と言われる牛さんの半身分の革を刷毛で塗るには無理があるからです。オジさん精神的にまいってしまいます。

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 元の状態はこういう感じです。所謂タンローといわれるヌメ革。すっぴんの素肌美人さんですね。

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 この子達にお化粧をしていく、という事をしています。今回は新品の柿渋を使用。新しい渋のフタを開ける時はなんだかワクワクしてしまうんですよね。匂い嗅いでしまいますし。たまたま作業場に親戚のオジさんが来たのですが「臭い!ホント臭い!」と言ってたのでアジトもこんな匂いになるのかな、と思うとちょっと考えてしまいます。まぁ私の鼻は既にバカになっているので、なんの違和感も感じません。むしろいい匂いくらいに思っています。おいでになる際には「臭い!」という準備をお忘れなく。

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 ダマにならないように丁寧に溶いて…

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 塗ります!これは塗り一回目の写真。この後磨きます。

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 歴戦のタオル先生が茶色くなってます。そう、このタオルで繊細かつダイナミックに磨き上げます。余分なべんがらを拭き取ると同時に圧をかけて吟面を平滑にする事でツヤ出し。実は一番重要な作業だったりします。

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 こちらは磨きあげた後。この時点ではほんのりピンクっぽいような茶色いような、という状態。作業を繰り返すと赤茶の独特の雰囲気を出してきます。

 この後停電となり、作業断念。次の日に作業を再開しましたが写真を撮る気にならず…

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 出 来 た !

 猛烈に端折ってますが、8回塗り&3回磨き×6枚。時間として一日では終わらないので、停電していなくても2日間の仕事になったかと思います。

 ここから乾燥させて薄くトップコートを塗ってまた乾燥させてオイル入れて寝かせて床面洗って寝かせてやっと完成です。長濱レザー、実は相当時間がかかっているのです。

 ウチの名刺入れやお財布を「長濱レザー」だと思っておられる方が大半かと思いますが、この素材自体が「長濱レザー」です。それを使って全て手仕事で小物を製作しているのがMATCH Leather Worksです。

 長濱レザーというマテリアルの製作そのものが当工房の基盤。

 自分が生まれ育った土地の美しい色を知ってもらいたい。

 キレイなだけではなく、水汚れが目立たず防カビ効果も期待出来ます。

 皮革製品の新しい選択肢として、是非皆様に知っていただきたい。

 

 ちなみに9/16(日)に岐阜県柳ケ瀬商店街にて開催のサンデービルヂングマーケットに出店いたします。お時間ある方は是非遊びにおいでくださいませ。

 

 お付き合い、ありがとうございました。

着工!

 MATCH Leather Worksでございます。

 先日からずっとお伝えしていたアジト計画ですが、遂に着工いたしました。

 着工当日、遅まきながら午後前に現場を確認しに行くと設置されている足場。あぁ、遂に始まるのだなぁとほんのり実感です。

 最終的に結構な箇所を直す事になりました。朽ちている東側の柱2か所。崩落してしまった川側の二階モルタル部。超絶立て付けが悪い上に取り外しが出来ない玄関扉。水道工事に下水工事に電気工事。畳を板床に変更。ザックリこんな感じです。それ以外の部分は自分でボチボチ修繕しながらやっていく予定。

 予定以上の出費がかかってしまいましたが、自分の城となる場所を手に入れる事が出来る興奮はなかなかのものです。キャーキャー言っていても伝わらないから静かにしてますが、結構大騒ぎしたい気分なのですよ。

 それにテナントを借りてお店にするよりもだいぶ金銭的にラクという部分もありました。1年やそこらで廃業するつもりはありません。例えば10年アジトで頑張ったとします。内装・外装費に土地代、光熱費などをおおまかに計算して120で割ったら、テナント料一か月分より断然安い。

 もしかしたら建物が10年頑張れないかもしれないけど、それでも不特定多数のいろんな方と直接触れ合える拠点を構えられるというのはとてつもなく大きなメリット。

 お客様が来られたら、まずは顔を見ておしゃべりがしたい。ゆっくりのんびり作品をみていただいて、ちょっとした受け答えを楽しみたい。窓から見える川はキレイで、疲れていてもきっと大丈夫。丁寧に仕事をしながら、玄関が開いたら「いらっしゃいませ」と言うのだ。

 そんな夢を見ています。

 奇しくも自分の誕生日に着工が始まったアジト。少し自分を投影している所もあります。例えボロボロでも、自分にとっては価値のある基地だ。

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 そんなこんなで、まだ足場が出来ているだけですが、これからが本番!やらなきゃいけない事がたくさんです!

 例えば工具入れ。一本ずつ立てる木のスタンドとかあるんですけど、これを自分で作りました。対外的には「店舗」だからカッコつけなきゃダメ、と言われます。正直な事を言うと、知った事かと思っている面が強い。だって秘密基地だもの、アジトだもの。誰の為でもない自分の為。自分がカッコいいと思わなきゃ絶対にやっちゃダメ。

 コンセプトは「自分の自分による自分の為のアジト」なのです。そこに友達を招待して「秘密だぞ」と言って一緒に遊ぶような、そんなワクワクした感じが欲しいのです。だから、という訳ではありませんが、調度品は基本的に自分で作ろうと考えています。

 作業台なんかも自分で作る事にしました。コレはとりあえず土台部分。これから天板を取り付けます。結構ガッシリしてるので、十分仕事は出来そうです。

 さぁ、準備をしていきます。皆様にワクワクが届けられるように、丁寧に仕事をしなきゃ。

 

 お付き合い、ありがとうございました。

初、雑誌に載る

 MATCH Leather Worksでございます。

 台風の影響か蒸し暑くなってきてますね。湿気大嫌いボーイなので思わずエアコンをつけてしまいました。残念な37歳です。

 さて、ちょっとビックリしています。

 本日8/21発売の日経マネー10月号の特別付録、ふるさと納税最新マニュアルにウチのボウタイが掲載されていました!

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 はい、ちょっと怯えています。実際に連絡はあったのですが「どうせ載らねぇよ全国紙になんて」と思っていたので、今日紙面で確認して本屋さんで飛び上がってしまいました。

 まぁそれで突然大きく何かが動き出すという訳ではないと思いますので、特にペースを変えて何かをするという事もなく。マイペースで頑張らせていただきます。

 実際、ウチのボウタイはインパクトあると思います。数少ないレザーボウタイの中でも木目模様のべんがら塗りという希少具合はなかなかのモノだと自負していますので。問題はあまりボウタイつける習慣が根付いていない、という事でしょうか。

 この暑さが収まったら、自分もボウタイ付け倒して生活しようかと思います。

 もちろん掲載のボウタイ以外にもふるさと納税返礼品の取り扱いはありますし、当方のオンラインショップもございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 こちらはふるさと納税ポータルとして有名なさとふる様のページです。こちらからチェックしていただけます。

 他にもふるぽ様やCity do様、楽天市場様とあります。お好みにあったサイト様を御利用ください。

 また、こちらが当工房のオンラインショップです。オシャレな仕上がりという訳ではありませんが、頑張っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 今週末は長野は木曽福島まで遠征です。「実際どんなモンよ」と興味をお持ちになった方は、是非遊びに来て実際に触っていただければと思います。

 お付き合い、ありがとうございました。

こんな感じで作っています(ザックリ版)

 MATCH Leather Worksでございます。

 最近はアトリエの修繕にかかりっきりですが、ちゃんと製作も頑張っています。比率は若干おかしな事になりつつありますが…

 アトリエ予定地の後ろ、外観にはまったく関係ない所が崩落。ちょっと素人にはどうしようもない感じで、そこも修繕をお願いする事になりそうです。あぁ、またもや出費…でも安全が一番ですからね!頑張る!

 さて、今回は珍しくどんな感じで作っているかを少しだけ。

 長濱レザーは所謂【ヌメ革】というヤツです。時間が経つと飴色に変化して味が出るんですよねぇ、とよく言われるアレですね。そのヌメ革がまったくお化粧していない状態のモノを仕入れて、柿渋とべんがらで頑張って塗装をかけています。

 よく塗装に関しては書いているので、今回は製作について。ウチのド定番「TEIKI」を実験台にしてみましょう。

 まずはパーツを切り出します。機械とか抜き型なんてものはないので、革包丁などの刃物と革ポンチでザクザク切り出すのです。

 で、切り出したパーツさんがコチラ。

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 ちょっと写真が見辛いですがこんな状態。断面がケバケバしてませんか?これが切りっぱなしの状態です。そのままの状態で売ってるトコもありますが、頑張ってコレを磨きます。触り心地も耐久力も違うし、何より見た目が美しくなりますので。

 ヌメ革の特徴として「濡らして圧をかけて磨けばツヤピカになる」という特徴があります。可逆性がどうとか難しい言葉は無視です。

 濡らす→擦る→ツヤピカ!

 とりあえずこれでOKです。

 ウチでやってるコバ処理はこんな流れ。

  ヤスリで磨いてから軽く濡らして磨く
   ↓
  熱処理
   ↓
  番手の細かいヤスリで再度磨く
   ↓
  トコノール塗布して磨く
   ↓
  ロウびきして熱処理
   ↓
  オイル入れ

 納得いかない場合は磨き処理を繰り返しますが、大体こんな感じです。ちなみに【コバ】というのは革の切り口、断面の事を指します。

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 磨くとこんな状態。ツヤピカです。地味にサイドポケットに捻入れとかもしてます。

 組み上げ前に磨けるのは写真の部分だけなので、ここから組み上げ。まずはサイドポケットと前胴をくっつけます。

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 ハイ、くっつけました。超カンタンですね。最初に大きさをしっかり調整してから貼り合わせればOKです。ちなみに片方を少し大きく裁断してから貼り合わせて余分を切り落とす「チリ落とし」というやり方もあります。が、自分はやりません。なんとなく性に合わない。それだけの理由です。カンタンですね。

 貼り合わせに関してですが、ウチでは白ボンドを使います。サイビノールなんかが革用としてはよく使われていますね。ゴムのりは苦手なので使っていません。なんだか使いにくいんですよ。

 道具やらの採用・不採用理由の8割は自分の手に馴染むかどうかなので「革細工のエラい人がこう言ってる」とか知った事ではありません。その人達だって自分にとって使いやすいものを勧めてるハズ。だから「あの人がこう言ってるから私も!」なんて道具の選び方しなくていいと思います。自分に馴染む、が最強ですよ。

 さて、貼り合わせたら一部を先に縫っちゃいます。今縫わないと縫えないからです。単純ですね。糸はビニモMBTの5番手。ピッチがもう少し広い場合は1番手を使っています。自分にとってはこのバランスが一番美しいので、これ以外では縫いたくないレベルです。

 で、縫った所を前述した感じで磨いたらいよいよ大詰め。背面パーツと組み合わせます。

 簡単に組み上げるなら、背面パーツを貼り付けて片面から菱目打ちでガシガシ叩いてやればOK。でもちょっと手間をかけます。貼り合わせる両パーツの同じ位置に先に穴を開けてから貼り合わせ。ウチでは裏表両方見える箇所は基本この方法です。

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 手間が二倍かかるので、正直面倒臭いです。でもここは自分のこだわりたいポイントなので妥協は出来ません。

 写真で見てもらうとこういう状態。貼り合わせたらそのまま針が通るように穴が開いています。これがズレてたりすると縫えません。開け位置を間違えたら終了です。修復出来ませんからね。

 じゃあなんでこんな面倒臭い事するの?という話になると思います。

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 この写真は、貼り合わせてから菱目打ちで穴を開けた革の裏です。こんな感じで穴が開きます。穴を見てもらうと、上の写真に比べて菱の形が逆になっているのがわかります。縫っていくと表に対して糸の走り方が変わるという事です。

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 具体的に見てみましょう。左は穴を開けてから貼り合わせ、右は貼り合わせてから穴開けをしたものです。糸の走り方が違うのがよくわかります。要は縫い目に表裏が出来てしまう、という事です。これが嫌いなんですよ!裏表なんて存在して欲しくないというか…美しくないと思ってしまうのです。

 なので、穴を開けてから貼り合わせます。少しでも美しく作りたいのです。

 貼り合わせてから縫って、カドを落として磨いて完成。

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 こうしてひとつひとつ機械を使う事なく、すべてを手作業で製作しています。

 時代に合わない非効率的な作業であるとわかっています。しかし、そういった手間物を愛してもらいたい。消費するアイテムではなく、長年付き合っていく相棒になってもらいたい。そう思って製作する毎日です。

 

 長濱レザーの特徴は、美しい木目模様の塗装です。

 べんがらと柿渋による塗装で防汚・防カビ性も期待出来ます。

 それは地域の色を残したいと思う職人がひとつひとつ手作業で塗装を施し、下処理や縫製を行っています。

 皆様に愛していただけるように、明日も丁寧な仕事を。

 

 お付き合い、ありがとうございました。

アトリエ、着工します

 MATCH Leather Worksでございます。

 以前からお伝えしていたアトリエに関してですが、ついに着工が決定しました。工事スタートは8/20予定。そこからおおよそ一か月半ほど後の10/10が完成予定です。

 そこから内装や外装の出来る所を自分で整えていって、11月中のスタートを一応の目標としています。

 そんな訳で頑張ってます!

 着工前に出来る事を少しでもやってしまおう、と柱を磨いたり壁を磨いたり扉を磨いたり…なんだか磨いてばかりですが、ずっと使われていなかったので致し方ありません。

 まず玄関!

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 現在はこんな状態です。

 このこじんまり感が好きで、このままにしようと思っていたのですが早速不都合。

 超 絶 動 き が 悪 い 。

 戸そのものが古くて動きが悪いのと下部のスベリもダメでほぼ動かず。外して修理しようにも建物の構造上、戸が外れないという謎仕様。諦めました。お願いしていた工事外ですが直していただく事に。戸横のモルタル壁がなくなり、ちゃんと外せる仕様になります。木製扉に変更する予定です。

 内壁は漆喰塗り。

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 セロテープがバシバシ貼ってあったりヘコんでたりしますが、剥離する事もなく状態自体はそんなに悪くありません。最初は珪藻土とか白い塗料でそれっぽい感じにしようと思っていましたが、建坪わずか5坪という狭小住宅。スペースを無駄には出来ません。なので、こういうスペースの一部あるいは全部を黒板にします。

 作業予定や出店告知、作品のPOPを書ける。来ていただいたお客様に落書きをしてもらえる。ご近所の方にお知らせやらも書いてもらえる。なかなか楽しく出来そうです。で、月末には全部消しちゃうけど写真を撮ってスクラップとして残す。振り返りも出来るので色々遊べそうです。

 そしてその横の木の引き戸。

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 そうです、トイレです。

 ずっと昔の建物なので下水は通っていません。なので下水接続とか諸々お願いしています。でもこの引き戸は残します。なんか雰囲気好きなので。しかしさすがに年代物。だいぶ古びていますし後ろのベニヤは半分朽ちています。なのでリメイク!

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 朽ちたベニヤは剥がして枠はヤスリでガシガシ磨きます。水拭きすればだいぶ復活しました。これに柿渋&べんがらを塗って油入れします。かなり印象が変わるはず!

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 イメージとしてはこんな感じになる予定なんですが、果たしてどうなる事やら。

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 現状この状態…床板入って柱磨いて色付けて古びた漆喰壁が真っ黒な黒板壁になれば印象変わります…よね。

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 作業台を設置する側の窓から見えるこの景色。この風情に惚れてここにアトリエを作る事を決めました。手狭だし古いし初期投資はかかるし駐車場も別だし難しい物件ではありますが、そこは惚れた者の弱みです。好きなんだからしょうがない。

 完成した暁には、是非遊びにおいでください。

 黒板壁に落書きしていってくださいね。

 

 お付き合い、ありがとうございました。

マッチ箱とエイジング

 MATCH Leather Worksでございます。

 最近は相も変わらずPCでマッチ箱のデザインでウンウン言ってたりしますがなんとか頑張っています。ちなみに家事も頑張っています。豚の冷しゃぶシソと梅肉ソース和えが夏にピッタリ。そんな今日です。

 さて、マッチ箱のデザインがほぼ決定いたしました。

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 なんかピントがズレてますがこんな感じでいきます。ご時世に合わせてQRコードをつけてみました。元々URLだとかメールアドレスだとか書いてたんですが、ネットでアクセスしてくる人は屋号やキーワードで検索して自サイトに飛んでくるからわざわざ書かなくていいよね、という事で。

 ちなみに電話番号はまだありません。基本はオンラインでのやりとりを主にしたいと考えています。製作中はほぼ電話に出ない(気付かない)ので…余裕が出てきたら作ろうとは考えてますが、固定回線は不要と考えてます。どこかに出店してたら結局出られない電話なんていらん!という考え方なので「番号書いてるけど携帯じゃん!信用出来ない!」とか思わないでくださいね。

 近いうちにマッチ箱は発注します。アトリエオープンよりも早めに仕上げてバラ撒きます!

 

 今回は少しだけマジメに、長濱レザーのエイジングについてちょっとだけ。

 エイジング。経年変化ともいいます。皮革が汗だとか油だとか紫外線だとかいろんなモノを吸収して雰囲気を変えていきます。コレが皮革製品の面白さだと言っても過言ではありません。もちろんエイジング=汚くなると考える人もいるので一概には言えませんけれど。個人的にはキズついてたり汚れムラが出来たりしてクタクタになった革は、歴戦の勇者のようで大好きです。

 生成ヌメ、所謂タンローという革のエイジングは既に有名でしょうが、長濱レザーのエイジングはおそらくウチでしか御紹介出来ないと思います。

 使い方などでエイジングはいくらでも変わってしまうので、ざっくり方向性だけ書くと…

 ①大きな色合いの変化はない

 ②ヌメっとした光沢が出る

 ③柿渋の塗膜が色濃く変化する

 ④オイルを吸うほど重厚な雰囲気になる

 といった感じでしょうか。

 ①に関しては、べんがらは「地球が崩壊しても色の変化がない」と言われるほど安定している物質。それが皮革をコーティングしているので、タンロー革に比べれば最初の状態からの変化は非常に少ないです。染色革でなく塗り革なのでその傾向は顕著。使う程飴色に変化して…というよくあるパターンの説明にはあてはまりません。逆に言えばいつまでも刷毛塗りの木目感が続くと言えます。

 ②はおそらくエイジングが進んだ革はすべてその傾向にあるのではないか、と思っています。圧がかかって微細なデコボコがならされてツルツルになる訳です。光沢はもちろん出ます。ただ長濱レザーのヌメっとした感じは柿渋塗膜によるもの。柿渋は固まると塗膜を作りますので、その塗膜がぬめりのあるツヤを更に強くしています。

 ③にある柿渋の色変化。日光に当たる事で色が濃くなります。これについては皮革のエイジングと同じですね。日に焼けたというヤツです。更に地の皮革も透けて見えていますので、こちらの変化も合わせてなんとも独特な変化をしていきます。

 ④は長濱レザーを作ってから持ち歩いている自分の個人的感想でもあります。自分は正直あまりオイル入れを行いません。手回り品はほぼ毎日触るので、手の油が勝手に入るので。なので雨に濡れてしまってちょっと具合が悪そう…という時ぐらい。あとは半年に一回くらい軽く入れて磨くくらいです。最初の段階ではオイルは最低限しか入れていませんが、ヌメり感が深くなっていきます。特にコインケースが凄く手に馴染むようになりました。なくしてまた最初からエイジング、となったらかなり悲しくなるでしょう。

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 写真左の縦折り財布「TATE」は初期の試作で2年近く。右のコインケース「CHIBI」は7か月持ち歩いています。最初はもっと明るい赤茶色でしたが、なんだか貫禄が出てきました。特に「CHIBI」は持った際のフィット感がいいので、なんとなく手持無沙汰な時は意味もなく手に取ってしまいます。

 今年中にはアトリエをスタートさせますので、エイジング具合が気になる方は御来訪の際に「財布どんな感じになってるの?」とお声掛けくださればニヤニヤしながらお出しいたします。

 ちょっとテイストの違うエイジングをする長濱レザー、どうぞあなたのお手元に。

 

 お付き合い、ありがとうございました。

マッチ箱 is so good

 MATCH Leather Worksでございます。

 台風が猛烈な右フックで関東から近畿へ向かっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は神殺しとして有名な氷結ストロングゼロを飲みながらデスクでブツブツ言っています。ダメですね。最近のストロング系チューハイは人を殺しにかかってます。正直炭酸水で割りながら飲むくらいが適切でしょう。

 ダメ人間っぷりを発揮していますが、ちゃんと頑張るべき事はやっております。先日から考えていたマッチ箱。なんとかデザインが完成しました。あとは色をどうするか…と悩んでいたのですが、こういう時は色んな人に見てもらうべき。そんな訳でヒアリングを行いました。結果、一番濃い赤が人気。正直自分もコレが一番気に入ってる。じゃあ決まりじゃないの!…となるのですが、文字の視認性とかそういう問題が微妙にひっかかっているんです。多分問題ないだろうとは思うんですが…

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 ちなみにモノとしてはこういう感じ。気に入っているのは一番手前のものですね。べんがらの赤をイメージしているので、コレじゃないとある意味役に立たない部分もあります。他のは「こんなのがあってもいいんじゃね?」くらいの感じだったり。

 長浜新名物!とか勝手に書いてますが、怒られないかとかはもう気にしません。長濱レザーを名乗る時も「やったモン勝ちだから」と周囲に散々言われたので、その心意気で取り組みます。実際そのつもりで頑張ってますからね!

 最大の問題は所謂「ドメイン」というヤツです。サイトの住所みたいなものなのですが、これを独自で取得するかどうか。

 例えば「matchleatherworks.com」とか「nagahamaleather.com」みたいな感じで取得しておくとお客様にわかりやすい。メールアドレスもそんな感じで作れるのでステキ。何より安心感がある。でも未だに貧乏性だし個人でボチボチやっているので「ホントに必要なのかしら」とか思ってしまう。間違いなくあった方がいいんですけどね。

 じゃあなんでやらないの?

 

 わ か ら な い か ら

 

 そう、よくわからないのです。ドメインを取得するのは色んなサイトがあるので、そこで取得出来る。現状サイトを構築しているwix独自ドメインに対応してる。

 そこまではいいんだ。

 何がわからないかといえば「独自ドメインにする事によって今までのアドレスは無効になってしまうのか」という事です。

 そうなるとちょっと面倒なんですよね。印刷物が全てダメになってしまうのですよ。名刺とかフライヤとか。それを全部作り直すのも金銭的に厳しい…

 なので二の足を踏んでいる、というのが正直な所。誰か詳しい人に教えて欲しいものです。とりあえずマッチ箱はショップカード代わりに作るので、欲しい方は是非もらってください。

 アトリエに関しては、足場作成の許可もいただけたし具体的に進んでいけそうです。ただ、入口のドアの立て付けが猛烈に悪い…磨いてシリコンスプレー吹けばなんとかなるんじゃないか、と思ってたんですが甘かった。全く役に立たない。今日工事をしてくれる業者様にみてもらったんだけど、これは面倒なドアだとお墨付きをもらってしまった。なんせ引き戸のくせに戸が外せないのだ。何言ってんだコイツ的な感じなのだけど本当なのです。外せるだけのスペースの余裕がないのです。

 壁ぶっ壊して外すしか方法はない、と苦笑いしながら仰る業者様。OK、だったらぶっ壊してくれ、と破壊をお願いしました。ついでに戸の交換も。興味持って来ていただいても戸が全然開かなかったら第一印象最悪ですからね。予算オーバーですけど交換します!ボク頑張る!

 そういう訳でお盆過ぎの8月後半から着工予定。10月初旬完成の予定です。まぁそこから内装とか色々触ったりするので、実際に動き出せるのは11月~12月くらいではないでしょうか。看板作ったり作業台用意したりもしないといけないのですが、まぁそれはボチボチと。

 さぁ、頑張るぞ!

 

 お付き合い、ありがとうございました。