災害には負けない!
MATCH Leather Worksでございます。
台風や地震など、平成最後のこの年は自然災害に悩まされる一年です。どうか皆様、頭の片隅に防災の事を意識してお過ごしください。
ちなみに我が家がある長浜市高月町では結構な勢いで停電があり、電気の大切さを否応なくわからされる事となりました。何が一番困るって自宅はオール電化なのです。調理も出来ないしお湯も出ません。全てがストップした中、嫁様と息子ちゃんと三人で肩を寄せ合ってしょーもない事をベラベラ喋っておりました。ある意味親子水入らずです。
アジトに関してですが、祈る事しか出来ないので考えないようにしてました。で、暴風雨が収まってから光の速さで駆けつけた所、有り難い事に無事でした。
確認しに行った時はこんな状態でした。既に古くなった壁や柱は撤去され、新しい柱や筋交いが入っていました。玄関扉の一部も撤去され、新しい扉が入ります。工事が終わっても見た目のオンボロはほぼそのままです。が、変に塗り直したりはしないでおこうと思っています。綺麗なテナントで仕事がしたいのではありません。よくわからない秘密基地みたいな所でヒゲのオッサンが何か凄いモノ作ってる、という状況でありたいのです。
スタイリッシュは自分には似合いません。時代のニーズは完全にそっちなのでしょうが、テンプレのカッコ良さではなく自分の好みを追い求めたいと思います。
で、台風の最中に塗り作業をしていました。停電で中断せざるを得なかったのですが、今回は25cm幅の短冊を6枚塗りました。現在乾燥中で、これから仕上げ作業をしていきます。僅か6枚と思われるかもしれませんが、これがなかなかに大変です。手や気を抜いてしまうと塗りの表情に一発で現れてしまいますので…ちなみに何故短冊状にしてしまうかといえば、半裁と言われる牛さんの半身分の革を刷毛で塗るには無理があるからです。オジさん精神的にまいってしまいます。
元の状態はこういう感じです。所謂タンローといわれるヌメ革。すっぴんの素肌美人さんですね。
この子達にお化粧をしていく、という事をしています。今回は新品の柿渋を使用。新しい渋のフタを開ける時はなんだかワクワクしてしまうんですよね。匂い嗅いでしまいますし。たまたま作業場に親戚のオジさんが来たのですが「臭い!ホント臭い!」と言ってたのでアジトもこんな匂いになるのかな、と思うとちょっと考えてしまいます。まぁ私の鼻は既にバカになっているので、なんの違和感も感じません。むしろいい匂いくらいに思っています。おいでになる際には「臭い!」という準備をお忘れなく。
ダマにならないように丁寧に溶いて…
塗ります!これは塗り一回目の写真。この後磨きます。
歴戦のタオル先生が茶色くなってます。そう、このタオルで繊細かつダイナミックに磨き上げます。余分なべんがらを拭き取ると同時に圧をかけて吟面を平滑にする事でツヤ出し。実は一番重要な作業だったりします。
こちらは磨きあげた後。この時点ではほんのりピンクっぽいような茶色いような、という状態。作業を繰り返すと赤茶の独特の雰囲気を出してきます。
この後停電となり、作業断念。次の日に作業を再開しましたが写真を撮る気にならず…
出 来 た !
猛烈に端折ってますが、8回塗り&3回磨き×6枚。時間として一日では終わらないので、停電していなくても2日間の仕事になったかと思います。
ここから乾燥させて薄くトップコートを塗ってまた乾燥させてオイル入れて寝かせて床面洗って寝かせてやっと完成です。長濱レザー、実は相当時間がかかっているのです。
ウチの名刺入れやお財布を「長濱レザー」だと思っておられる方が大半かと思いますが、この素材自体が「長濱レザー」です。それを使って全て手仕事で小物を製作しているのがMATCH Leather Worksです。
長濱レザーというマテリアルの製作そのものが当工房の基盤。
自分が生まれ育った土地の美しい色を知ってもらいたい。
キレイなだけではなく、水汚れが目立たず防カビ効果も期待出来ます。
皮革製品の新しい選択肢として、是非皆様に知っていただきたい。
ちなみに9/16(日)に岐阜県の柳ケ瀬商店街にて開催のサンデービルヂングマーケットに出店いたします。お時間ある方は是非遊びにおいでくださいませ。
お付き合い、ありがとうございました。